中田エミリー × 第二保全部
直営作業グループ
マネージャー飯島 素
新潟で働く
私たちの思い
2018年2月取材
SCROLL
一つひとつ積み重ねていく。
自分たちが守るという決意を。
もしものとき、
発電所の設備を
ちゃんと動かせるのですか?
- 中田
- 飯島さん、今日は、ちょっと厳しいことも聞かせていただくかもしれませんが、よろしくお願いします。
- 飯島
- わかりました。なんなりと聞いてください。
- 中田
- それでははじめに、飯島さんは、発電所でどんなお仕事をされているのですか?
- 飯島
- 今の私の仕事は、訓練の計画や教育など、いざというときの所員の対応力を強化することです。
- 中田
- 対応力?それはどういったことですか?
- 飯島
- 簡単に言いますと、事故が起こったときに、発電所の様々な設備を使って、迅速かつ的確に対応するための力です。福島第一原子力発電所の事故では、所員が重機などを動かすことができず、初期対応が遅れてしまいました。柏崎刈羽原子力発電所では、その反省から、所員が自ら免許や資格を取り、緊急時に使用する車両を操作したり、故障した場合でも自らの手で修理できるよう、日々訓練を重ねています。
- 中田
- え?ということは、事故の前は、そういうことができていなかったのですか?
- 飯島
- はい。緊急時に使用する車両は、社外の協力会社に操作していただいていましたし、不具合や故障の際は、メーカーに修理をお願いしていました。
- 中田
- それでは、もしもの時の対応が遅れてしまうのも当然ですよね。
それは、県民としてとても不安です。 - 飯島
- はい、私も事故のとき、対応力が足りないことを痛切に感じました。だからこそ、二度とあのような遅れを起こさないという決意のもと、私を含め、所員の対応力の向上に取り組んでいます。
事故のときの経験は、
発電所を変えましたか?
- 中田
- 事故のときのお話が出ましたけど、飯島さんはあのとき、どこにいたのですか?
- 飯島
- 当時は東京本社に勤務していました。そして、事故が発生すると、以前福島第一で勤務していたこともあり、事故収束の検討にあたりました。
- 中田
- それは、どんなことをされていたのですか?
- 飯島
- 原子炉を冷やす水をどこから調達するか、水を送るポンプの電源はどう確保するかなど、状況をこれ以上悪化させない方法を検討していました。しかし、道路をふさぐガレキなどによって、消防車がすぐに駆けつけられなかったり、放射線量の高い構内で作業する人が手配できなかったりなど、計画を立てても、肝心なところが思うように実行できず、ただただ焦りと不安で一杯でした。
- 中田
- そんなことが起こっていたのですね・・・
- 飯島
- はい。そのときに所員の対応力の不足を目の当たりにし、どんな場面でも、自分たちの力で乗り越えられるようにしなければダメだと痛感しました。その後、柏崎刈羽に配属になり、今の部署を立ち上げ、対応力を鍛えるためにはどうしたらいいか、訓練内容を検討するところから始めました。
- 中田
- 今ではどうなのですか?
- 飯島
- 今では、多くの所員が訓練を行っていて、その習熟度の向上もさることながら、安全性を高め続けるためには、設備の充実はもちろん、それを確実に動かすための対応力が必要だという意識を発電所全体で持つことができるようになりました。
- 中田
- なるほど。そこまで意識が変わったのですね。
日々の訓練に取り組む
ために必要なことって、
何でしょうか?
- 中田
- 先ほど、所員のみなさんがもしもの時のために、免許や資格を取っているというお話を伺いましたが、飯島さんも何か資格を持っていらっしゃるのですか?
- 飯島
- 高所作業や溶接の資格、建設機械や大型車両、フォークリフトの免許などを取得しています。
- 中田
- わぁ、そんなにたくさんお持ちなのですね!すごいですね。
- 飯島
- 発電所には、もっと難しい資格を持っている所員もたくさんいます。でも、資格があることが大事なのではなく、免許や資格を取ることで、今まで自分たちでできなかった作業をできるようにしたり扱えなかった車両を動かせるようになること。そして、それによって、安全対策を確実に実行できるようにしていくことが何よりも重要です。常々、メンバーには、そういう意識を持ってもらうようにしています。
- 中田
- ゼロから始めて、ここまでできるようになるのって、簡単じゃなかったですよね?
- 飯島
- もちろん、うまくいかないことも多かったですが、そんなときは、仕事終わりの大好きなお酒が私を慰め、勇気づけてくれました。新潟には、おいしい日本酒がたくさんありますからね。
- 中田
- じゃあ、次は唎酒(ききざけ)師の資格にチャレンジですね(笑)。でもお酒はほどほどに。
- 飯島
- そうですね。新潟の皆さまに安心していただける発電所にするためには、まだまだやらなければいけないことがたくさんありますしね。
- 中田
- 期待しています。
- 飯島
- はい。がんばります。