国際原子力機関(IAEA)による安全性の確認
- IAEAは2021年4月に発表された基本方針後の日本政府による要請を踏まえ、ALPS処理水の海洋放出について、IAEAの国際安全基準に合致しているか否かを評価するための技術的な確認(レビュー)を実施。タスクフォースには、IAEA職員及び国際的な専門家が含まれていた。
- 2023年7月に、これまでのレビュー結果をとりまとめた包括報告書が公表
- IAEAは、放出前・放出中・放出後についても長年にわたってALPS処理水の海洋放出にコミット ※アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、中国、フランス、マーシャル諸島、韓国、ロシア、英国、米国、ベトナム出身の国際専門家
IAEA (International Atomic Energy Agency)とは
- 1957年に国際連合の関連機関として設立。原子力に関する国を超えた協力を進めている国際機関
- 査察官を世界各国の現場に派遣して原子力が平和利用されているかの検証を実施。また、原子力の安全に関する国際的な基準の設定、原子力をこれから導入しようと検討している国などに専門知識を提供するなどの取り組みを実施
IAEA事務局長
ラファエル・マリアーノ・グロッシー
包括報告書のポイント
- ALPS処理水の海洋放出への取り組み、並びに東京電力、
原子力規制委員会及び日本政府による関連の活動は、
国際的な安全基準に合致している - 東京電力が現在、計画しているALPS処理水の海洋放出が、人及び環境に与える放射線の影響は無視できるほど
ALPS処理水の安全性
レビューに
関する
包括報告書
IAEAによるレビューで確認された事項
❶ ALPS処理水の防護と安全性の評価
ALPS処理水の性状や放出プロセスに関する安全性などのALPS処理水の安全性について評価しています。
❷ 規制活動とプロセス
原子力安全を所官する独立機関である「原子力規制委員会」の対応について評価しています。
❸ 独立した処理水のサンプリング・裏付け分析
分析結果の裏付けをする観点で、IAEA立ち会いの下で採取されたALPS処理水のサンプルについて、IAEAの研究所及びIAEAにより選定された第三国の分析機関(スイス、フランス、米国、韓国)がデータ分析し、各機関の分析結果の比較を実施しています。
参加した分析機関
- ■ IAEA
-
・海洋環境研究所(モナコ)
・アイソトープ・ハイドロジー研究所(オーストリア)
・陸域環境放射化学研究所(オーストリア)
- ■ 第三国の分析機関
-
・シュピーツ研究所(スイス)
・ロスアラモス国立研究所(米国)
・放射線防護・原子力安全研究所(フランス)
・韓国原子力安全技術院(韓国)
IAEA レビュースケジュール
2024年
- 4月
-
第2回 安全性に関するレビューミッション(放出後)
- 1月
-
第1回 安全性に関するレビュー(放出後)の報告書公表
2023年
- 10月
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第1回 安全性に関するレビューミッション(放出後)
- 7月
-
包括報告書公表
- 5月
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ALPS処理水の海洋放出に関する包括レビューミッション
第1回分析機関間比較結果に関する報告書公表
第2回規制に関する報告書公表
- 4月
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第2回安全性に関する報告書公表
- 1月
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第2回規制に関するレビューミッション
2022年
- 12月
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IAEAによる独立したサンプリング、データの裏付け及び分析活動に関する報告書公表
- 11月
-
第2回安全性に関するレビューミッション
- 6月
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第1回規制に関する報告書公表
- 4月
-
第1回安全性に関する報告書公表
- 3月
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第1回規制に関するレビューミッション
- 2月
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第1回安全性に関するレビューミッション
2021年
- 7月
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政府はALPS処理水の処分に関するIAEAとの付託事項に署名
- 4月
-
政府はALPS処理水の処分に関する基本方針を公表